医療・介護施設では、入浴ができない方への介助または利用者の感染症対策のために、手や身体などへの清拭を行います。

清拭の際には、お湯で濡らして絞ったり、蒸したりした清拭タオルを使用しますが、消毒と洗濯を行ったうえで繰り返して使い回すことも考えられます。

医療・介護施設の管理者のなかには「清拭タオルを使い回すことによってどのようなリスクがあるのか」「衛生管理のためにはどのような対策があるのか」などと気になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、清拭タオルの使い回しによる利用者と職員へのリスク、衛生管理を行うポイントについて解説します。

清拭タオルを使い回すリスク

清拭タオルを消毒・洗濯して使い回すことによって、利用者の肌荒れや感染症の拡大につながるおそれがあるほか、介護職員の業務負担を招きやすくなります。

肌荒れの原因になる

使い回したタオルで利用者の手や身体を清拭すると、肌荒れを引き起こす可能性があります。

▼肌荒れを引き起こす原因

  • タオルの質感
  • 消毒液や洗剤の残存

 

タオルは、繰り返し使用するうちに繊維がほつれたり、硬くなったりして質感が劣化します。その状態のタオルで身体を清拭すると、肌を傷つけてしまう可能性があります。

また、消毒液をしみこませたタオルを洗濯によって使い回す場合は、洗い残しによって消毒液が残存する可能性も考えられます。洗濯用の洗剤や柔軟剤のすすぎ残しがあると、乾いたときに繊維が硬くなります。

このように消毒液や洗剤が残存した清拭タオルを使用することで、肌荒れが起こるおそれがあります。

感染症拡大の経路になる可能性がある

清拭タオルを使い回すと、施設内での感染症拡大の経路になる可能性があります。

感染症の原因となるウイルスや細菌が付着したものに目・鼻・傷口などが触れると、間接接触感染が起こるリスクがあります。汚染された清拭タオルを十分に消毒しないまま使い回すことによって、感染症が広がってしまうおそれがあります。

なかにはノロウイルスのようにアルコール消毒への抵抗性が強い感染症も存在するため、清拭タオルの消毒を行うだけでは十分とはいえません。

▼接触感染が起こる主な病原体

  • ノロウイルス
  • 疥癬(かいせん)
  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
  • 新型コロナウイルス など

また、血液についても感染症の感染源になり得ます。前述した肌荒れによって出血が起こると、傷口が感染経路になるだけでなく、血液がタオルに付着することで他者への感染にもつながるおそれがあります。

出典:厚生労働省『介護現場における感染対策の手引き

介護職員の負担につながる

清拭タオルを使い回して運用している施設では、消毒や洗濯などを介護職員で行う必要があるため、業務負担につながりやすいといえます。

▼清拭タオルを洗浄して使用する手順

  1. 次亜塩素酸ナトリウムに浸け置きして消毒する
  2. 洗濯機に入れて洗濯する
  3. 洗濯機で乾燥または外干しする
  4. 乾燥させたタオルを畳んで収納する
  5. タオルを使用する際にお湯に浸して絞る、または蒸す

また、洗濯したタオルを保湿器に入れておくと、細菌が増殖・拡大する可能性があります。これらのリスクを防ぐには、清拭タオルを都度用意するか、衛生的な環境で保管する必要があり、作業に労力がかかりやすくなります。

清拭タオルの衛生管理を行うポイント

肌荒れや感染症の拡大を防いで、清拭タオルを衛生的に使用するには、消毒・洗浄による使い回しを避ける必要があります。

01 身体拭き専用のシートを利用する

通常のタオルではなく、医療・介護用に開発された身体拭き専用のシートを利用する方法があります。

身体拭き専用シートとは、手や身体の清拭に使えるウェットタイプの使い捨てペーパータオルのことです。使い捨てのため、細菌の増殖や接触感染などのリスクを避けられます。

製品によってはアルコール不使用のものや、除菌効果のある成分が含まれているものなどがあります。

▼身体拭きシートを利用するメリット

  • サイズ・厚さ・素材・包装方法などさまざまな種類があり、用途に合わせて使いやすい
  • 除菌・消臭の成分が含まれたシートは、身体の清拭だけでなく感染症対策にも使える
  • アルコールや界面活性剤が不使用のシートを選ぶと肌荒れを防げる

02 ディスポーザブルタオル機を導入する

ディスポーザブルタオル機(おしぼり機)は、使い捨てタオルをワンタッチで製造する機械です。医療・介護施設にディスポーザブルタオル機を導入することで、その場で必要な温度の使い捨てタオルを用意できます。

清拭タオルの使い回しによるリスクを防げるほか、保管状態のタオルは乾燥状態となるため、衛生面にも優れています。

▼ディスポーザブルタオル機(おしぼり機)を導入するメリット

  • タオルの厚さ・長さを選べる製品の場合、用途に合わせて使用できる
  • 消毒・洗濯・乾燥・保管といった作業がなくなり、介護職員の業務負担を軽減できる
  • 温度を選択してその場で製造できるため、タオルの温めや温度調整を手動で行う必要がない

抗菌タオル製造機『FIND』でいつでも清潔なタオルを使用できる

ケアツールIggy』では、抗菌タオル製造機(おしぼり機)『FIND』というディスポーザブルタオル機を提供しております。

高い抗菌力と安全性の高い除菌液、肌にやさしい素材によっていつでも清潔なタオルを安心して使用することが可能です。身体の清拭のほか、オムツ交換や食事の際の手拭き・口拭きなどにもご活用いただけます。

▼抗菌タオル製造機(おしぼり機)『FIND』の特徴

  • 最高温度95℃までの1℃単位での温度調整や1cm単位での長さ調整、湿り度合いの調整によって用途に合わせて使用できる
  • 大豆アミノ酸を主成分としたアルコール不使用の専用除菌液によって、身体・口腔ケアにも使用できる
  • ユーカリ100%のレーヨン素材で肌にやさしい
  • 保守管理サポートによる定期メンテナンスで故障や不具合を防げる

詳しい製品情報は、こちらからご確認ください。

まとめ

この記事では、医療・介護施設で使用する清拭タオルについて、以下の内容を解説しました。

  • 清拭タオルを使い回すリスク
  • 清拭タオルの衛生管理を行うポイント
  • 抗菌清拭タオル製造機『FIND』の特徴

利用者のケアや感染症対策に使用する清拭タオルを使い回すと、繊維の劣化または消毒液の残存によって肌荒れを起こしたり、間接接触感染によって感染症拡大の経路となったりするリスクがあります。

衛生的に清拭タオルを使用するには、消毒と洗浄による使い回しを避けて、使い捨ての身体拭き専用シートを使用する、またはディスポーザブルタオル機を導入することがポイントです。

ケアツールIggy』では、医療・介護現場でいつでも安全かつ清潔なタオルを使用できる抗菌タオル製造機『FIND』を提供しております。高い抗菌力を持ち、温度調節が可能で、おしぼりをワンタッチで製造できるため、現場の衛生管理や介護職員の業務効率化に役立ちます。

衛生機器でコスト削減を検討されている方は、こちらからお気軽にご相談ください。