近年、介護施設の共有スペースに絵画やアート作品を飾る取り組みが増えています。施設のロビーや廊下、ラウンジなどの共用部分にアートを配置することで、単なる装飾以上の効果が得られることが分かってきました。アート作品は施設全体の雰囲気を高め、入居者や職員にとっても心地よい空間づくりに寄与します。
本記事では、介護施設でアートを取り入れることの意義と効果について詳しく解説し、現場職員の皆様にそのメリットや工夫のポイントをご紹介します。
空間の美化と癒しの提供
アート作品は空間を彩り、施設全体を洗練された雰囲気にする効果があります。特に、明るく爽やかな色彩や自然の風景を描いた絵画は、入居者の気分をリフレッシュさせ、落ち着いた気持ちにさせる効果があります。
介護施設の環境は、入居者が多くの時間を過ごす場所であるため、心身のリラックスや安心感が求められます。そのため、アートのもつ美的効果によって、より心地よく過ごせる環境づくりが重要です。
また、ロビーやエントランスにアートを飾ることで、訪問者や家族が来館した際の第一印象も向上します。温かみのあるアート作品があれば、入居者の家族や来館者に「ここは居心地の良い施設だ」と感じてもらいやすくなります。
入居者と職員のリフレッシュ効果
介護施設では、入居者や職員が日々の生活の中で多くの時間を共有スペースで過ごします。アートは視覚的な楽しみや刺激を提供するだけでなく、心のリフレッシュ効果をもたらします。
特に、風景画や花の絵、穏やかな抽象画などは、日常生活に癒しや楽しみを加えることで、施設での生活に少しでも彩りを添える役割を果たします。
また、職員にとってもアートは気分転換の一助となります。職員の方々は日々のケア業務においてストレスや疲労がたまりやすく、働きやすい環境を整えることが重要です。アートが飾られている空間で短い休憩を取ることで、リフレッシュでき、仕事へのモチベーションや集中力の向上にもつながるでしょう。
入居者の認知機能や感性を刺激
アート作品は、鑑賞するだけでも脳の活性化に寄与するとされています。色や形、絵の内容に興味を持つことで、脳の認知機能が刺激されるため、介護施設における認知症予防やリハビリの一環としてもアートが活用されています。
特に、風景画や季節感のある作品は、入居者が昔の記憶を思い出したり、会話のきっかけになったりすることが多く、認知機能の維持や感情の安定に役立ちます。
また、アート作品を通じて会話が生まれることで、他の入居者や職員とのコミュニケーションも促進されます。ある絵画を見ながら「昔はこういう場所に行ったことがある」と話すことで、周囲の人と自然な形で交流が生まれ、入居者が孤立することを防ぐ効果も期待できます。
コミュニティづくりと施設内の一体感向上
共有スペースにアートを飾ることで、施設内でのコミュニティづくりが促進される効果もあります。例えば、ある絵画やオブジェをきっかけに会話が始まり、入居者同士や職員との間で自然な交流が生まれやすくなります。共通の話題が生まれることで、普段あまり話す機会のない人同士でも会話が生まれ、交流の輪が広がります。
また、アートに関連した小さなイベントやワークショップを企画することで、施設全体の一体感が高まります。例えば、地域のアーティストに作品を提供してもらい、入居者と一緒に作品を制作する活動を行うと、入居者にとっても新鮮な体験となり、地域社会とのつながりも感じられます。
空間の使い方や動線のガイド
アート作品の配置によって空間の使い方や動線を視覚的にガイドする効果もあります。施設内の移動がわかりやすくなるだけでなく、各スペースの役割を明確にすることで入居者も過ごしやすくなります。例えば、エントランスには大きなアート作品を飾って「ここは皆さんをお迎えする場所だ」という印象を強調したり、廊下には長さのある作品を配置して動線に沿った空間の広がりを感じられるようにするといった工夫が考えられます。
さらに、季節や行事に合わせた装飾を行うことで、入居者に季節感を感じてもらえることも魅力の一つです。例えば、春には桜や新緑をテーマにした絵画を、冬には雪景色や温かみのある色調の作品を飾ることで、季節の移り変わりを施設内で楽しんでいただけます。
アートによる施設のブランド価値向上
介護施設にとってもアートは、施設全体のイメージやブランド価値の向上につながります。アートがあることで、「この施設は質の高いケアを提供し、心地よい環境づくりに配慮している」という評価を得やすくなり、入居を検討している方やそのご家族にも好印象を与えることができます。
また、地域のアーティストの作品を取り入れることで、地元との連携や地域の文化を大切にしている施設としてのイメージが強まり、地域社会とのつながりを意識した施設運営にも役立ちます。こうした取り組みは、入居者や職員にとっても「地域に愛される施設で働いている」「ここで生活している」という誇りや安心感につながるでしょう。
アートの取り入れ方の工夫
アートを施設に取り入れる際、作品選びや配置にはいくつかのポイントがあります。まず、入居者の年齢層や趣味嗜好に配慮して、視覚的に優しい色合いや内容の作品を選ぶことが重要です。また、作品のサイズや配置場所にも注意が必要で、あまり大きな作品や派手な色使いのものは圧迫感を与える可能性があるため、施設の広さやスペースの用途に合わせてバランスを取ると良いでしょう。
さらに、作品の種類にも多様性を持たせることで、入居者や職員の飽きが来ないよう工夫すると効果的です。例えば、季節ごとに作品を変えたり、入居者が自分で制作した作品を展示するコーナーを設けるなど、みんなでアートを楽しむ仕組みを作ると、より施設全体が活気づきます。
おわりに
介護施設の共有スペースにアートを取り入れることは、入居者や職員にとって多くのメリットをもたらします。アート作品は空間の美化や癒しだけでなく、入居者の認知機能の活性化やコミュニケーションの促進、施設全体の一体感向上にもつながります。
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